目的を果たした博士は もう 興味を失った。
手紙を読み終えたみみずくは さまよい歩くR・Jの姿を想像して、哀れに思った。しかし博士にとって 愛憎劇なんていうのは、全然興味のない 他人事であるようだった。
ただもう あの月に 弦を張ってみたいだけで 旅に出たようだ。
「博士らしい・・・」
小包を開けてみると 中はカラッポの虫かごだった。
「迷いの花園に飛んでいた 幻の蝶を 君に送るよ」
手紙には そう書いてあった。


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