ようやく森を ぬけた。
「ううっ まぶしい!・・・」
思わず 目をおおった。 急に何も なくなった。
はるか遠くまで 砂ばかりだ。
どっちへ向かって 歩いたらいいのか わからない。
砂が やけどするほど 熱くなっている。
熱気をたっぷり吸い込み 息ができなくなる。
苦しみながら 歩く博士を いつも何かが見ている いやな視線だ。
「はぁっ はぁっ いいかげんに しろっ!」
ここは“嫉妬の砂漠”という 名であった。
どのくらい 歩いたんだろう・・・足がもつれる。
意識もぼんやりしてきた
ゆらゆらと 蜃気楼が見える・・・
「あ・・・」


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